リビングをメインに書斎や寝室などにも設置されるソファ。ソファは家具の中でもなかなか買い替えないものであり、実際に肌に触れて使用するものということもあって慎重に選んでいかなければなりません。このページでは、そんなソファの選び方について説明をしています。
SIZE ( サイズ )
さて、一口にソファと言っても、サイズやカタチ、対応人数、座り心地、張り地、カラーなどデザインはまちまち。ですが、お部屋に入らなければ意味がありません。まずはサイズから選んでいきましょう。
ソファのサイズは対応人数によって分けられます。「1人掛け」「2人掛け」「3人掛け」「カウチソファ」をメインに、「1.5人掛け」「2.5人掛け」「L字型」「ソファーベッド」などもあります。思い描いてたものとは違い、予想外に大きかったり、その逆で物足りなかったり、そのようなことがないため必ず正確な寸法の確認を行って下さい。新聞紙などをソファと同じサイズに繋ぎ合わせ、シュミレーションをするのもよりイメージがしやすく効果的です。
また、先にも言いましたが、どれだけお部屋とマッチングしたソファでも、お部屋に入らなければ意味がありません。届くのを今か今かと心待ちにしていたのに、いざ当日、玄関にすら入らなかった。なんてケース、ネタみたいですけど意外とよくあります。搬入経路の確認は念入りに行いましょう。
また、搬入経路はOKでも、ドアやチェストの開け閉めや、人が歩いたり、作業をしたりするのに必要な空間、いわゆる「動作空間」のことを考えておらず、あとから苦労することがあります。スペースだけではなく、ソファを設置したあとの生活のこともシュミレーションされることをおススメします。
SHAPE ( カタチ )
希望のサイズをクリアすれば、次はカタチ。カタチの選択基準は座る方の使用目的によって大きく異なります。映画が大好きで、「休みの日は映画三昧」、そんな方にはアーム付きで、また、背もたれがゆったりとしたもの、あるいは寝そべって使用できるカウチソファ、リクライニング機能のついたソファなどが良いでしょう。
また、カフェのように「時には食事を楽しみたい」方には、大きなアームは邪魔になりがち、アームレスか低めのアームで、背もたれは直角かそれに近いのものが良いでしょう。空間を広く取りたい方、床暖房やホットカーペットを活かして地べたにも座りたい方には、脚のない『ローソファ』がオススメです。
CUSHION ( クッション性 )
ソファに使われる緩衝材はおもに価格(グレード)の高いものから、ポケットコイルスプリング > コイルスプリング > Sバネ > ウェービングベルトとなります。
ポケットコイルスプリングとは、コイルスプリングを一つずつ小さな袋に入れ、それをソファの座面に敷き詰めたもので、弾力性やフィット感に優れます。使うコイルやそれを入れる袋の数が多いので、他の緩衝材より高価なのが欠点です。
コイルスプリングとは、複数のコイルスプリングを鉄線やヒモなどで連結させ、それをソファの座面に敷き詰めたもので、適度な弾力性と、ポケットコイルスプリングよりも優れた安定性が特徴です。
Sバネとは、その名の通りS字の鋼製のバネを連結棒で繋いだもののことで、コイルスプリングのような弾力性はありませんが、安定性が高く、後に出てくるウェービングベルトよりも耐久性に優れます。
ウェービングベルトとは、ゴムを巻き付けた糸を編み込んだ力布(ちからぬの)の一種で、弾力性は全くなく、強度も他の緩衝材よりも劣りますが、そのぶん安定感があり、また、最もお手ごろな価格で手に入るのが特徴です。
ご予算や好みに合わせてお選び下さい。
MATERIAL ( 張り地 )
張り地で悩むのは、「本革」か「合皮」か、本革なら「タンニン鞣(なめ)し」か「クロム鞣し」か「オイルレザー」か、合皮なら「PUレザー」か「PVCレザー」か、それとも「ファブリック」か、といったところだと思います。
まず、本革の特徴を簡単に説明すると、メリットは使い込むほどに味や深みが増していくことや、長持ちすること。デメリットはメンテナンスが面倒なこと、価格が高いことなどです。一方合皮はのメリットは、価格が安いこと、メンテナンスがラク(ほぼ不要)なこと。デメリットは使い込むほどに劣化すること(1〜2年ほどで買い替え時期がきます)や、革本来の質感を楽しめないことなどが挙げられます。
タンニン鞣しとは、植物に含まれる渋み成分のタンニンを使って皮(加工前→皮、加工後→革)を鞣すことで、タンニンが皮のタンパク質と結合することによって収縮率が増し、堅牢(けんろう)さが上がります。また、天然成分を使用しているので人体に無害です。
クロム鞣しとは、硫酸クロムや重クロム酸ナトリウムなどの化学薬品を使用して皮を鞣すことで、タンニン鞣しよりもコストを低く抑えられ、また、染色性や発色性にも優れています。使用上は問題ありませんが、焼却処分する際に有害物質が発生してしまう欠点があります。また、両方の技術を合わせた「コンビネーション鞣し」もあります。
オイルレザーとは、タンニン鞣し加工を施したあとに、たっぷりのオイルを革に染み込ませたもので、染色は行っていないもの。オイルによるツヤや、しなやかさ、優れた耐摩耗性や耐水性などが特徴です。しかし油分が切れてしまうとひび割れを起こすため、メンテナンスは頻繁に行わなければなりません。
PUレザーのPUとは「ポリウレタン」のことで、安価なわりに強度や耐摩耗性が高く、また、あとに説明するPVC レザーよりも通気性に優れています。これといったメンテナンスは必要ありませんが、劣化は本革に比べ、早いです。
PVCレザーのPVCとは「ポリ塩化ビニル」のことで、PUレザーよりもさらにお求めやすく、また、PUレザー同様メンテ要らずで強度や耐摩耗性に優れていますが、通気性ではPUレザーよりも劣ります。こちらも劣化は早く、1〜2年程度で買い替えと見ておいた方がよいでしょう。
ファブリックソファのメリットはカラーバリエーションが豊富なこと、通気性が良いこと、カバーリングであればクリーニングも可能なこと、さらに本革のような面倒なメンテナンスは必要ないことなどが挙げられます。反対にデメリットは、汚れが生地に染み込んでしまうことや、基本的に干したり洗ったりする機会がないのでカビやダニの発生なども考えられます。
COLOR ( カラー )
ソファ選びにはカラーも大切ですね。ソファーは家具の中でも比較的大きな部類に入ります。いざお部屋に置いてみたらすごく圧迫感があったり、ほかの家具とマッチせずに浮いてしまったり. . 。そんなことがないように「色相(しきそう)」「彩度(さいど)」「明度(めいど)」という3つのポイントがあります。
色相とは、赤、黄、緑、青といった色味の違いのことです。色相はソファを選ぶ上で最も重要なポイントで、ベースとなるものです。壁やほかの家具と対比した色で合わせるのか、それとも同系色で合わせるのか、まずは、そこから決めましょう。
彩度とは色の鮮やかさです。日差しの量や、天候、照明の色などによって体感する彩度は微妙に変化します。例えば真っ赤なソファでも、夜はちょうどいいのに昼間の明るい時には少し浮いてしまう、なんてことも考えられます。彩度にも気を配りながら選んでいきましょう。
明度とは、色の明るさのことです。明るい色ならば爽やかな空間を演出できるでしょうし、暗い色なら落ち着いたオトナな空間を演出できるでしょう。色相、彩度と同じく重要なポイントです。
LEAD TIME ( 納期 )
ソファのフルオーダーはなかなかありませんが、お好きな張り地やカラーの選べる「イージーオーダー」 はごく一般的。イージーオーダーは注文を受けてから生産を開始するいわゆる「受注生産品」なので、納期には通常1〜4ヶ月程度かかります。
ソファはリビングの主役級の存在感。それが何ヶ月も居ないのはちょっと寂しいですね。どうしても待てない方は在庫ストックのある「完成品」をお選び下さい。海外からの取り寄せでなければ通常1〜2週間で届きます。
以上、簡単ですが、ソファ選びのポイントについてご説明しました。快適なソファライフを。