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本革のメンテナンス

HOW TO MAINTAIN GENUINE LEATHER

レザー(本革)はしなやかさや耐久性、徐々に深みを増していく経年変化などが魅力ですが、合皮に比べてメンテナンスの手間がかかるのが欠点です。ですが、丁寧にメンテナンスしてやると革本来のポテンシャルが引き出されていくのがわかり、いつからかメンテナンスをするのが楽しくなってくると思います。そうなればレザーに欠点はなくなります。このページでは、そんなレザーを使用した家具のメンテナンス方法を説明しています。

TANNINE TANNAGE ( タンニン鞣し )

タンニン鞣しとは

家具に使われるレザーは、馬もありますが、最も一般的なのはやはり牛。その皮を植物性のタンニンで鞣した「タンニン鞣し」加工が施されたものは、手間がかかるため価格は高いものの、見た目、手触りともに最高クラス。型くずれがしにくく丈夫。生命感があり、革本来の味わいを楽しむことができるのも魅力です。ただ、水分に弱いことや、重いこと、キズがつきやすいことなどが欠点に挙げられます。

タンニンが革のタンパク質と結合し、革の組織がギュッと引き締まって堅牢(けんろう)さが増します。しかしそれゆえ加工直後はあまり柔軟性がありません。使い込むほどにやわらかく、質感は高まっていきます。いわゆる「馴染む」というやつです。また、それと同時に革の色は飴色に変化し、丁寧にメンテナンスすればどんどんツヤが増していきます。さらに、あとに説明するクロム鞣しのように処分する際に有害物質がでないことも利点に挙げられます。

メンテナンス方法

そんなタンニン鞣しレザーのメンテナンス方法は「バランス」が大切です。というのも、タンニン鞣しの革はとってもデリケートで、過度のメンテナンスはかえって革をダメにします。2〜3ヶ月に一度が適正です。まず革に濡れがないかの確認。ホコリや手あかなどの細かい汚れを落とすため、あれば馬毛ブラシ、なければ乾いたタオルやティッシュで表面を拭いて下さい。

次に保革クリームを塗っていきますが、ここでポイント。クリームはなるべく植物性のものを使用して下さい。動物性のものを使用してしまうと思わぬ化学反応を起こしてしまい、変色や劣化を早める可能性があります。また、クリームやオイルは塗り過ぎないように注意して下さい。タンニン鞣しの革は皮膚呼吸をしており、それを妨げてしまいます。

2〜3ヶ月に一回のメンテナンス以外は、乾いた布や少し湿らせたタオルなどで優しく拭いてあげて下さい。また、できるだけ高温多湿な状態や直射日光は、劣化を促進する原因となりますので避けて下さい。頑固な汚れやカビにはご自身で対応なさらない方が無難です。購入されたお店か専門家にご依頼下さい。

NG項目

タンニン鞣しの革に専用のもの以外の防水スプレーや、消臭スプレーなどを振るのは絶対に避けて下さい。前述したように革は皮膚呼吸をしています。スプレーなどで覆ってしまうと呼吸がスムーズにできなくなり、その部分から硬化、ひび割れや著しい劣化の原因となります。また、そうなってしまうと修復は極めて困難です。

中性洗剤の使用もNGです。汚れは落ちても保護膜まで落としてしまい逆効果。表面に化学物質が塗布されたいわゆる「化学雑巾」も同じことです。もちろんハンドクリームや乳液など、専用のクリーム以外の塗布もNGです。

 

CHROME TANNING ( クロム鞣し )

クロム鞣しとは

クロム鞣しとは、植物性のタンニン鞣しとは違い、硫酸クロムや重クロム酸ナトリウムなどの化学薬品を使用して皮を鞣すことで、手間のかかるタンニン鞣しよりも比較的安価。そのため現在の革製品の大半がこのクロム鞣しです。柔軟性、伸縮性、染色性、発色性に優れていることや、軽いこと、水分に強いこと、カビが生えにくいことなどもメリットです。

ただ、乾燥に弱いこと、焼却処分時に人体に有害な化学物質(六価クロム)が発生してしまうことなどがデメリットとして挙げられます(もちろん使用上は問題ありません)。また、劣化のスピードが遅いので、耐久性に優れていると言えますが、裏を返せばエイジングによる深みを実感しにくい(ほとんどない)とも言えます。

メンテナンス方法

そんなクロム鞣し革のメンテナンスはそれほど頻繁に行う必要ありません。3ヶ月〜半年に一回で十分でしょう。まず、ブラッシング(あれば馬毛)、および乾いた布やタオルで乾拭きし、ホコリや手あかなどを取り除きます。次にやわらかい布に専用のクリームを馴染ませ、サッと全体をなぞるように拭きます。そしてクリームが乾き切る前にそれを拭き取る感じで再度キレイな布で乾拭きを行って下さい。

NG項目

NG項目はタンニン鞣しと同じで中性洗剤、化学雑巾、専用でないクリームなどでメンテナンスをすること。もちろん高温多湿な状態や直射日光もなるべく避けて下さい。また、前述したように廃棄、焼却時にはじゅうぶんお気をつけ下さい。六価クロムは発がん性物質としても知られています。

 

OILED LEATHER ( オイルレザー )

オイルレザーとは

オイルレザーとは、タンニン鞣し加工を施した革にたっぷりのオイルを染み込ませたもので、染色はしていない革のこと。しなやかでツヤがあり、タンニン鞣し特有の使い込むほどに馴染んでくる経年変化のポテンシャルをさらに引き出すことができます。また、油分があるため水分や汚れに強く、耐摩耗性にも優れています。滑らかで肌触りもいいです。ただ、油分が切れないように定期的なメンテナンスが必要になります。

メンテナンス

オイルレザーのメンテナンスは3ヶ月〜半年に一回(頻度は空気の乾燥度合いによって変化します)。まず始めにブラッシングか乾拭きで汚れを落として下さい。次に専用クリーナーで汚れを落とします(汚れていないなら飛ばしてかまいません)。そして保革油(保革クリーム)でオイルを補給します。仕上げに乾拭きをして終了です。まだ油分が切れていない観察期は乾拭きのみで結構です。

その名の通り、オイルレザーはオイルが命です。油分が切れてしまうとそこから急激な劣化が始まったり、ひび割れてしまったりします。メンテナンスはやや面倒かもしれませんが、マメに行えばむしろお釣りが返ってくるほど感動的な経年変化を見せてくれることでしょう。頑張って下さい。

NG項目

タンニン鞣しやクロム鞣しと同じ(ベースはタンニン鞣しなので焼却時に有害物質は出ません)です。

 

最後に

一口に「レザー」と言っても牛革や馬、山羊などいろいろありますし、一口に「牛革」と言っても、これまた色々あります。また、製品ごとによって正解のメンテナンス方法は微妙に異なってくるかと思います。お使いの製品の革の特徴を見極め、効果的なメンテナンスを心がけていきましょう。

また、その中でわからない点があれば、遠慮せずにどんどん購入されたお店に問い合わせてみて下さいね。以上、簡単ですが、レザー(本革)のメンテナンスについて説明させていただきました。では、快適なレザーライフを。