無垢材のメンテナンス

「無垢材(むくざい)」と聞くと、なんとなくいい響きがします。確かに無垢材は素晴らしいですが、必ずしも「無垢材=良い」「それ以外の木材=悪い」というわけではなく、無垢材の良さを生かすも殺すもメンテナンス次第。また、無垢材にも弱点があり、反対にそれ以外の木材にも利点があります。このページでは、そんな無垢材の利点を最大限に活かすためのメンテナンス方法について説明をしています。

無垢材とは

無垢材とは、一本の原木から必要な寸法に切り取った木材のことで、薄く切った木材を張り合わせた「集成材」と比べられることが多いです。両者ともに家具やフローリング材、建築材などに使用されます。

無垢材のメリットデメリット

無垢材のメリットはなんといっても自然本来の風合い。長年かけて形成された木の歴史を感じるることができ、また、徐々に深みを増していく経年変化も魅力的です。さらに、断熱性が高く、調湿効果や吸音効果があることなどが挙げられます。

反対にデメリットは、まれに反りや割れ、縮みなどが見られること。また、それに伴い加工時の狂いが大きいこと、さらに、重いことや、集成材に比べると高価なことなどが挙げられます。

集成材のメリットデメリット

集成材のメリットははまず無垢材に比べてお値段が手ごろなこと。また、加工時の狂いが少なく仕上がりも均一なこと、軽いこと、無垢材のような反りや割れ、縮みなどがほとんどないことなどが挙げられます。

反対にデメリットは、無垢材のような自然本来の風合いや経年変化を味わうことができないこと、水分および湿気に弱いこと、また、接着剤を多用するので、シックハウス症候群などの健康障害が心配な点も否めません。

メンテナンス

いよいよ無垢材のメンテナンスについてですが、一口に「無垢材」と言っても、チークやマホガニー、ウォールナットの世界三大銘木をはじめ、そのすがたカタチ、特性は多種多様。なのでここではごくごく基本的なメンテナンス方法のみをご紹介します。

メンテナンスしないとどうなるか

無垢材に限ったことではありませんが、木はお手入れしなければ当然傷みます。その「傷み」は前述した「経年変化」とは全くの別物で、そんな傷みに目をつむり、「味」や「アンティーク」、「ヴィンテージ」という言葉で誤摩化してしまうことだけは避けたいところ。傷み、の具体的な症状は、もともとの光沢がなくなって色褪せてしまったり、カビが生えたり腐ってしまった状態のこと。そうなると当然強度も下がってしまい、破損してしまえば最悪の場合、ケガや事故に繋がってしまいます。

普段からできること

そうならないためにも、普段からできることがいくつかあります。まず、なるべく高温多湿な状態、エアコン直風などの過度な乾燥状態、それと直射日光を避けるようにして下さい。それらは無垢材の天敵で、反りや割れ、縮みなどの発生を助長してしまいます。特に水分には気をつけるようにして下さい。水やドリンクなどをこぼした時は速やかに拭き取るようにして下さい。濡れたままの布巾などを置きっ放しにしてしまうことも厳禁です。もちろん過剰に神経質になる必要はありませんが、ちょっとしたことで無垢材の寿命は大きく変わってきます。

無垢材の塗装方法

無垢材の風合いを活かすために「無塗装」を選ぶ人もいますが、基本的に無垢材には塗装が施されています。無垢材の塗装方法で最も一般的なものには「PU塗装」「UV塗装」「オイル塗装」があります。

PU塗装/UV塗装

PU塗装とは、ポリウレタン樹脂を使用したもので、耐久性、耐水性、耐候性に優れていることや、ソフトな質感が特徴です。UV塗装は、紫外線を照射すると硬化する塗料を使用した塗装方法のことで、とても頑丈な塗膜により耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性などに優れており、また、鏡面仕上げのような美しい光沢が魅力です。ただ、PU塗装/UV塗装ともに強力な塗膜によってキズがつきにくいのですが、それが仇となり、一度大きなキズがついてしまうと素人では補修は困難。なるべく職人や専門家に依頼して下さい。普段は乾拭きや水拭きで汚れを取り除くようにして下さい。

オイル塗装(オイル仕上げ)

ご自分でも比較的容易に補修できる塗装方法があります。「オイル塗装」です。オイル塗装はPU塗装やUV塗装のような頑丈な塗膜は作りません。オイルを木に直接染み込ませます。表面を覆わないため、木が呼吸することができるので調湿効果を損なうこともなく、また、自然本来の木の質感を失ってしまうこともありません。ただ、デメリットは塗膜がないのでキズがつきやすいこと、水分に弱いこと、また、油分を切らすと劣化を早めてしまうので、必然的にメンテナンスの頻度が高まってしまうことなどが挙げられます。オイルはホームセンターや大手ネットショッピングモールなどでカンタンに手に入ります。また、「米ぬか」を使用するのも効果的&環境的にもGOODです。やわらかい布などに包んでご使用下さい。

最後に

以上、カンタンですが、無垢材のメンテナンス方法について説明させていただきました。イヌやネコをはじめ、ペットは飼い主に似ると言いますが、無垢材にも持ち主の性格がよく現れます。丁寧にメンテナンスされている無垢材はやはり深みや輝きが違います。集成材は完成とともに「劣化」していきますが、無垢材は完成とともに「成長」していきます。正しいメンテナンスを行い、無垢材を育てる喜びや楽しみをぜひ、ご体感下さい。

 

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