照明器具の選び方

お部屋の印象を決定づける要素となり得る「照明器具」。光のコントロール次第で空間を広く見せることも奥行を持たせることも自在です。このページでは、そんな重要なインテリアアイテムである照明器具(家庭で使われるごく一般的なもの)の選び方について説明をしています。

照明器具の種類

シーリングランプ(シーリングライト)

シーリングランプとは、天井取り付け型の照明器具のことで、その名の通りシーリング(天井)に直付けして使用します。カタチは円形、四角、スポットライト、ファンがついたものなど様々です。光源にはおもに蛍光灯やLEDが用いられます。

天井直付けのため圧迫感が少ないことや、お部屋を均一に照らし開放的な空間演出ができること、またそれによって電力コストを抑えられることなどが利点に挙げられますが、空間に奥行を作りたい場合には少し不向きであることや、電球交換がやや面倒なことなどが欠点に挙げられます。

ペンダントランプ(ペンダントライト)

ペンダントランプとは、天井からコードやチェーン、ワイヤーなどを使用してぶら下げるタイプの照明器具のことです。

空間に緩急や奥行をつけたいときなどにピンポイントで使用でき、様々な空間演出が可能です。例えば、北欧などでよく見られるダイニングテーブルの真上に吊り下げられたペンダントランプ。あれには食器に影を生み出し、料理をよりおいしそうに見せる効果があります。ですが反対に、明るく開放的な空間の演出には不向きなことや、圧迫感があることなどが欠点に挙げられます。

シャンデリア

シャンデリアとは、ペンダントランプのように天井から吊り下げて使用するタイプの照明器具であり、ガラスやクリスタル、金属などで装飾された華やかなもののことを指します。本来はロウソクを立てて使うものですが、日本で言うそれは、それに似せた多灯型の室内灯のことを指すのが一般的です。

シャンデリアは優雅でゴージャスな空間演出をするのにもってこいです。また、美しいカットの入ったクリスタルなどは、夜間だけでなく、太陽光などに反射する昼間も十分に楽しむことが可能です。

しかしシャンデリアは他の照明器具に比べると比較的高価です。また、基本的に多灯式であり、それゆえ電力コストも他の照明器具よりかさみます。さらに使用する電球も、1つ1つはお買い求めやすいのですが、3〜15個程度必要であり、イニシャルコスト、ランニングコストがかかる点は否めません。

デスクランプ(デスクライト)

デスクランプとは、その名の通りデスクや作業台などで手元を照らし、作業効率や生産性を高めるためことを主な目的として使用される照明器具のことです。土台のあるスタンド式や、机のフチに挟んで使用するクリップ式のものが最も一般的です。

基本的にアームやシェード(ヘッド)の角度を調整できるので、無駄のない光の有効利用が可能です。また、コンパクトで重量も軽く、持ち運びが容易なことが利点です。ただ、光源が近いため夏場の使用はやや暑く感じられ、目の負担も大きいです(目に優しい電球やLEDもありますが高価)。ほかにもデスクスペースの一部を潰してしまうことや、見た目に圧迫感があることなども欠点に挙げられます。

フロアランプ

フロアランプとは、その名の通りフロア(床)に置いて使用するタイプの照明器具のことです。スタンド式か、スタンドと一体になった自立式が最も一般的です。

持ち運びが容易で、スペースもそれほど取らないので、明かりの欲しいところをピンポイントで照らせることが最大のメリットです。ソファやベッドサイドで読書や書き物をする時や、玄関やレストルーム、廊下などにちょっとした明かりが欲しいときなどに便利です。

シーリングライトやペンダントライトのサブ的な照明なので、それだけでお部屋全体を照らすのには無理があります。空間に奥行が欲しい時や、ムーディな空間演出を求めるとき、就寝前の優しい光が欲しい時などにオススメです。

キャンドル

キャンドルとはまさにロウソクのことで、おもにお部屋にほんの少しだけ明かりが欲しい時に使用されます。近年では様々な形や色、香りがするものがあり、また、キャンドルに似せたLEDライトも火災やヤケドなどの心配がなく人気を集めています。

どんな空間にしたいか

開放的な空間

開放的な空間を演出したいなら、シーリングランプがオススメです。天井直付けなので、照明器具に寄る圧迫感がなく、光に広がりを持たせることができます。

北欧ライクな空間

北欧のようなぬくもりのある空間の演出は、ズバリ「影」がポイントです。ペンダントライトやフロアランプ、キャンドルなどを駆使し、光と影のバランスをイメージしながら空間を構成するようにして下さい。

ムーディな空間

グラス片手にジャズ鑑賞など、ムーディな空間を演出したい場合は「間接照明」がポイントになってきます。シーリングスポットライトを使って壁や絵画、オブジェなどを照らしたり、フロアランプやクリップライト、LEDキャンドルなどを駆使してあえて物陰に光を置いてみて下さい。ちなみにテレビ裏に明かりを灯せば映画館のように高級感が増し、また、テレビの光による目の負担を減らすこともできます。お試しあれ。

ゴージャスな空間

ゴージャスな空間は文句なしで「シャンデリア」がオススメです。美しいカットの入ったクリスタルを使用したシャンデリアは、きらびやかな光でお部屋をゴージャスな空間に。また、太陽光の光に反射する日中もじゅうぶん楽しむことができます。

スタジオライクな空間

テレビや雑誌のスタジオライクな空間演出には「スポットライト」がオススメです。その中でも天井直付けのシーリングスポットライトは光と影の指向性を強調するのにピッタリです。

LEDは本当にお得なのか

以前に比べるとLED電球は徐々にお買い求めやすくなっています。ですがまだまだ白熱電球や蛍光球に比べると高いです。そんなLEDの販売業者の謳い文句は決まって「エコ」「長持ちするので結局お得」。しかしほんとうにお得なのでしょうか?結論からいうとそれは「商品によります」。お得なものもあれば、そうでないものもあります。そんなどっちつかずのLED電球のメリットデメリットについて説明をしていきます。

メリット

LED電球のメリットは、確かに販売業者の言う通り「長持ちすること」です。白熱電球の約40倍、蛍光球の約4倍も長持ちします。長持ちするということは、コストの面だけでなく、電球を買いにいく手間や、取り替える手間も減ります。また、LEDは紫外線をほとんど出さないので、虫を寄せつけにくく、家具や絵画などの劣化スピードも抑えます。ほかにも、スイッチをつけてから点灯するまでが早いことや、ON/OFFを繰り返し使用するような状況にも強いことなどがメリットに挙げられます。

デメリット

LEDのデメリットは、イニシャルコスト(初期費用)が高額なことです。徐々にお求めやすくはなっていますが、それでも白熱球の数倍〜数十倍します。また、LEDの光は直線的で、あまり広がりがありません。さらに、LEDに対応していない照明器具はまだまだ多く、点灯はしても、調光機能には対応していないなどの互換性の悪さもデメリットとして挙げられます。

最後に

以上、カンタンですが、照明器具の選び方のポイントについて説明させていただきました。このページでは、おもに照明器具の見た目に焦点を当てて選び方の説明をしましたが、照明器具は毎日使用するものなので、当然ランニングコストのことも考えなければいけませんし、対応畳数なども視野に入れておかなければなりません。

お部屋だけでなく、その場にいる人の気分をも変えてしまう照明器具。ぜひ、慎重にお選び下さい。